自筆証書遺言を作成した際に、検認が必要という記載がありますが、この検認とは一体何でしょうかね。
民法の条文を見ると、遺言書を預かった人や、預かってはいなかったけど引出しから遺言書が出て見つけた人は、家庭裁判所に遺言書を提出して、検認の請求をしなくてはならない。もししなかったら過料を請求をするよという趣旨の文言があります。(簡単に書いているので、詳細は民法をご参照ください。)
つまり、自筆証書の場合は遺言書をまずは家庭裁判所へ持ち込んで検認を受けようという事になりますが、なぜ家庭裁判所なのでしょうか。そしてなぜ、公正証書にした場合は検認をしなくていいのでしょうか？
検認の意図として、遺言書の偽造、改ざん等の防止を第一の目的にしております。
相続人が保管して、寝静まったところへこっそり自分の有利なように内容を付け足し・・・という事もあり得るという事でその防止策ですね。
なので！公正証書は役場に原本が保管されているので、偽造されてもばれてしまい、偽造の可能性が少ないため、検認が不要で、自筆証書は検認は必要という事になる主な理由かと思われます。
また、封印がされている場合は家庭裁判所で相続人立合いのもと開封しないといけないという条文がありますので、自筆証書遺言の場合、封も開けないように注意が必要です。中身がわからず開けてしまった等で問題になるよりは、遺言書の作成の際に中身が遺言書とわかるようにするのがトラブルを避ける方法かもしれません。
また検認の注意点として、検認を受けたからと言って、その遺言書が法的に有効であると保証されるわけではありませんので、ご注意ください。
検認を簡単にまとめますと、相続手続きで使えるようにするための、家庭裁判所での相続人へのお披露目と偽造防止の手続きといった感じですかね。
行政書士は検認の申立てのお手伝いはできませんが、相続のサポートや、専門家へのご紹介等も行っておりますので、何か困っている事がありましたら是非ご相談ください。
