「知人から車を譲り受けたい」「家族間で名義変更をしたい」とお考えの方にとって、これは大きな変化です。この記事では、環境性能割の仕組みをおさらいしつつ、廃止後の名義変更(移転登録)にどんな影響があるのかを、自動車登録の手続きを扱う行政書士の視点からわかりやすく解説します。
1. 環境性能割とは―そもそもどんな税金だったのか
環境性能割(正式名称:自動車税環境性能割・軽自動車税環境性能割)とは、自動車を取得(購入・譲渡)した際に、その車の燃費性能や排出ガス性能に応じて課される地方税です。
環境性能が高い(燃費が良い)車ほど税率が低く、燃費が悪い車ほど税率が高くなる設計で、エコカー普及を後押しする目的がありました。新車・中古車を問わず課税され、登録手続き時にディーラーが代行して納付するのが一般的でした。
2. 名義変更(移転登録)への影響
個人間で車を譲り受けるときに行う名義変更(移転登録)は、これまで環境性能割の影響を受ける代表的な手続きでした。
環境性能割廃止前:名義変更時に環境性能割がかかるケース
たとえば、友人から3年落ちのガソリン車を譲り受ける場合、以下のような計算式で環境性能割が発生する場合があります。
取得価額 = 課税標準基準額 × 残価率
シンプルに考えると上記の計算式で出た取得価額から税率をかけた金額を負担するという仕組みになっております。
※なお、取得価額が50万円以下の場合は免税となるほか、車種により減免措置が適用されることもあります。
例:課税標準基準額200万円×残価率0.681=取得価額は約136万円
→取得金額136万円に税率3%として計算すると、約4万円が環境性能割としてかかる可能性があります。(あくまでも参考例です。)
環境性能割廃止後:4月1日以降は環境性能割ゼロ
2026年4月1日以降に移転登録(名義変更)を行う場合、環境性能割は一切かかりません。
車によっては数万円~十数万円の負担がなくなる場合があるので、環境性能割の廃止により、個人間の車の譲渡・売買にかかる費用が大幅に下がる場合もあります。
3. 環境性能割が廃止されても恩恵を受けられない?
ここまで見ると税負担が減り助かる!と思われた方もいると思いますが、もともと中古車で登録年数が長いと、残価率が最低値に達して取得価額が50万円以下になり、もともと環境性能割の対象外であったというケースもあります。新車や、比較的新しい車の場合には恩恵は多いですが、中古車では恩恵を受けられないケースもあることには注意が必要です。
4. エコカー減税が厳格化
エコカー減税(自動車重量税の減免)の基準は2026年5月以降に厳格化される予定です。
エコカー減税は2026年4月30日までの期限でしたが、2年間の延長が決定しました。しかし、減税の為の要件が厳格になるとのことで、購入時の環境性能割がなくなった一方、車検時に支払う重量税等が上がる車種も出てきます。
環境性能割の廃止だけを見て判断するのではなく、維持費も含めたトータルコストを考えることも大切です。
5. 注意点:廃止されても変わらない費用
環境性能割がなくなったからといって、名義変更の費用がすべてゼロになるわけではありません。引き続き以下の費用がかかります。
⚠ 名義変更時にかかるその他の費用
- 登録手数料(印紙代):700円(窓口申請の移転登録の場合)※令和8年4月1日より法定手数料の改定がありました。
- 車庫証明の申請手数料:2,100円(埼玉県の場合)
- ナンバープレート代:管轄変更がある場合のみ
- 行政書士報酬:手続きを専門家に依頼する場合
名義変更のご依頼・ご相談
個人間の車の譲渡・売買に伴う名義変更(移転登録)の手続きを代行いたします。
必要書類のご案内から、車庫証明の取得、陸運局への申請まで、まとめてお任せください。
※ 本記事の内容は2026年4月4日時点の情報に基づいています。
※ 税務に関する個別のご判断については、税理士または管轄の自動車税事務所にご確認ください。





